中国語訳の認証は公証役場から

中国語訳を添付した文書に、いきなり中国大使館の認証は得られません

中国大使館領事部における認証には、まず、外務省において公印確認を受けておくことが必要ですが、公印確認は文字通り公印(官公署の印章)に対して与えられるので、公印のない私文書は公印確認を受けることはできず、したがって、中国大使館領事部の認証を受けることもできません。

中国語の訳文の認証は公証役場から始めます

そこで、私文書を認証するには、まず私文書に公印を受けておきます。その方法として、まず、公証役場で公証人の認証を受けることにより公証人押印を得ておき、次に、公証人が所属する法務局または地方法務局で公証人押印確認を得ます。公証人押印確認を得ると、外務省の公印確認を受けることができるので、当然、中国大使館領事部の認証を受けることもできるようになります。

翻訳者が指定されている場合もあります

中国語訳の添付を求められた場合、訳文は申請者自身で作成することがほとんどです。しかし、厳格な手続きが要求される場合には、提出先が中国語への翻訳を行う人・会社を特に指定している場合があります。また、中国語訳を必要としながらも、中国国内でそれを行うことを指定しているために、結果として日本において中国語訳を添付する必要がない場合もあります。なお、みどり法務事務所では中国語への翻訳も承っております

中国語訳に認証を受けるには宣言書を付ける

宣言書とは

宣言書とは、翻訳者が中国語に堪能であり、その公文書を正確に中国語に訳した旨を記述した文書のことです。公証役場で公文書の中国語訳に認証を受ける場合、通常、この宣言書に対して認証が与えられ、宣言書、中国語訳文書、公文書をホッチキス等で一つに纏めた上で、これら全体で、一つの認証済み中国語訳文書として扱われます。

宣言書には住所の記入を忘れずに

宣言書は認証を受ける文書ですから、翻訳した人の署名・捺印(実印)が必要です(代理認証の場合)。署名・捺印の際、氏名だけを記入すると、同姓同名の別人と区別することができません。そこで、翻訳した人の住所や電話番号も併記しておきます。

日本語の中国語訳か中国語の原本か

「日本語原本の中国語訳」と「中国語で書いた原本」

例えば日本語の委任状と、これと同じ内容を持つ中国語文書が並んでいるとします。この中国語文書は「日本語原本の中国語訳」でしょうか、それとも「中国語で書いた原本」でしょうか。答えは、どのような意図のもとで作成されたかにより決まります。中国語訳を作成する意図があれば「日本語原本の中国語訳」であり、中国語原本を作成する意図があれば「中国語の原本」になります。

このように、中国語文書を作成するときは、それが中国語訳なのか、中国語原本なのか、意図を明らかにする必要があります。どちらの意図で書かれたかにより、行うべき認証手続きに違いが生じるからです。もし、「中国語訳」であれば、正確に翻訳した旨を記した宣言書を別に作成し、これに対して認証を行います。逆に、「中国語原本」ならば、その認証は、中国語原本それ自体に行います。

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