私文書の中国大使館認証には公証人の認証が必要
私文書とは
私文書とは、私人が作成した文書のことです。例えば、委任状、翻訳文、貸借対照表や損益計算書などがこれにあたります。戸籍謄本は公文書ですが、これを私人が中国語に翻訳した文書は私文書になります。
これに対し、公文書とは官公署が作成した文書のことで、戸籍謄本、婚姻届受理証明書、商業登記簿謄本などがこれにあたります。
私文書を中国大使館で認証するには
中国大使館領事部(中国総領事館)で認証できる文書は、外務省押印確認を受けた公文書(官公署が作成した文書)に限られます。外務省押印確認を受けるには公印(官公署の印鑑)がなければなりませんが、私文書は私人が作成した文書ですから、そのままでは外務省の公印確認を受けることはできません。
そこでまず、公証役場で公証人の認証を受けます。私文書の作成者は公証人に対し、その私文書を自身が作成したこと、つまり本物であることを伝えます。公証人は、その文書が本物であること明かにする文書を作り、公証人印を付して、認証を受ける私文書と合綴します。
この時点から私文書には公証人印が付きますが、公証人印は公印ではありませんので、やはり外務省公印確認を受けることはできません。そこで、この私文書を法務局へ持ち込みます。そこで公証人印が真正と認められると、法務局長印(公印)が追加されます。これにより、いわば私文書が公文書に変わり、外務省公印確認を受けられるようになります。
公証人(公証役場)の認証の種類
署名または記名・押印の認証
公証役場では、私文書が真正であることを、どのように確かめるのでしょうか。それは、その私文書が、そこに名前が記された人によって作成されたことを確認することによって行います。この方法は、署名や記名・押印が、本人のものであることを確認するこから「署名または記名・押印の認証」呼ばれます。「署名または記名・押印の認証」を行うには、具体的に次の三つの方法があります。
第一に、直接、公証人の目の前で、本人が文書を作成する(署名する)方法があります。これは面前認証(目撃認証)と呼ばれます。
第二に、本人が署名済みの文書を公証役場に持参し、公証人に対して「これは私が作成しました」と自ら認める方法があります。これが面前自認(自認認証)です。
第三に、代理人が本人の実印が押印された文書を持って公証役場に赴き、印鑑証明書を示しつつ、代理人が本人により作成された文書であることを認める方法もあり、代理認証と呼ばれてます。この方法は、第一、第二の方法と違い、本人が公証役場に出頭する必要がありません。
宣誓認証
先ほど、文書が真正であることを確かめるには、Aさんの名前がある文書が、Aさんにより作成されていることを確認するとお話ししました。しかし、場合によっては文書の内容が真実であることまで確証が求められる場合もあります。そのような要求に応えるのが「宣誓認証」です。
宣誓認証とは、公証人の面前で、文書の作成者が、その文書の署名が作成者本人ものであることを示し、かつ、内容も真実であることを宣誓した上で受ける認証です。
宣誓認証は本人が公証人の面前で宣誓する必要があるので、「署名または記名・押印の認証」と違って、代理人によって認証を受けることができません。
代理人による認証(代理認証)とは
公証役場での認証は代理人でもOK
公証役場で公証人の認証を受けるには、その文書を書いた本人が公証役場へ行く必要があります。しかし、公証役場は平日しか開いていませんし、お近くに公証役場があるとも限りません。そのような場合、本人の代わりに代理人に認証を依頼することができます。
公証人が確認することは、その文書が、確かにその文書に名前が記された人により作成されたという事実ですから、何らかの方法でこれを示すことができるなら、代理人によって認証手続きをすることもできるわけです。みどり法務事務所では、お客様に代わって公証役場へ出頭し、代理人として認証を受けるご依頼も承っております。
代理人による認証には本人の実印と印鑑証明書が必要
代理人による認証を行うには、まず、認証を受ける文書に、本人が実印を押印しておきます。次に、認証を代理人に依頼するための委任状にも実印を押印しておきます。そして、これら二つの文書を、印鑑証明書とともに代理人に渡します。代理人は、公証役場に出向き、公証人の前で、認証を受ける文書が本人によって作成されたことを供述、自認します。
実印は本人しか持っていないので、ある文書に実印があれば、その文書は本人が作成したものと考えるのが自然ですし、委任状に実印があれば、本人が代理人に認証を委任したと考えるのが自然です。そこで、公証人は、認証を受ける文書および委任状に押印れた印鑑が、印鑑証明書の印影に一致すること(実印であること)を確認し、これにより、認証を受ける文書が本人により作成されたことを認証し、本人が代理人を通じて認証を受ける意思があることを確認します。
中国大使館認証に必要な公証人認証の形式とは
ほとんどの場合は代理認証でOK
中国大使館領事部での認証は、認証の種類に関係なく、公証人の押印と、法務局/地方法務局の公証人押印証明と、外務省の公印確認があれば受け付けてもらえます。これらは代理人による認証(代理認証)でも得られるので、必ずしも本人が公証役場へ出頭、宣誓して認証を受ける必要はありません。みどり法務事務所は、代理認証により、私文書に中国大使館領事部の認証を取得した実績を多数有しております。
注意が必要な場合も
代理認証があれば、中国大使館領事部での認証を受けることはできますが、中国での提出先が本人による公証役場への出頭を要する「宣誓認証」を求めている場合があるかもしれません。ほとんどの場合は代理認証で通用しますが、重要な手続きを行う場合には、事前に公証役場で行うべき認証の形式を確認するとよいでしょう。
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