交差点の一時停止取り締まり
一時停止違反件数はスピード違反、ベルト装着義務違反、放置駐車、携帯電話使用等に続いて第5位である(H23)。
誰でも交差点では信号の有無に注意する。しかし、一時停止標識の有無に注意するだろうか。
誰でも信号が赤ならば必ず止まる。しかし、一時停止標識では必ず止まるだろうか。
一時停止標識は赤信号と同じである。
一時停止標識にも赤信号を見たときと同じ緊張感を持つことが、一時停止違反を防ぐ第一歩である。
見通しの悪い交差点
ここは取り締りポイントではない。
なぜ、取り締りポイントではないのだろうか。
見通しの悪いこの交差点に、勢いよく飛び込む人はいない。
危険であることが明らかなところでは、慎重に運転する。
その結果、一時停止違反も起こらない。
逆に言えば、安全な場所でこそ、交通違反が生じるのではないだろうか。
見通しのよい交差点
この交差点は、一時停止取り締りが行われたことがある。
そのときは、取り締りを受けた車両で長い列ができていた。
取り締まりを受けた方が多かった理由は何だろうか。
ここを左折する場合を考えてみよう。
運転者は、まず、横断歩道に歩行者がいないかを確認し、
次に右手からクルマが来ないかを確認するだろう。
この交差点は、右手の見通しがよく、早い段階で安全を確認できる。
安全であるとわかると、一時停止を忘れ、そのまま進んでしまう。
さらに、この交差点は他の方向から入る場合は、一時停止の標識がない。
進入路によって一時停止の標識があったりなかったりすると、
一時停止の標識のある場所の記憶を誤る可能性がある。
一時停止の標識を通り過ぎることは、
赤信号を通り過ぎるほどには、違和感がないだろう。
安全が確認できれば、それだけで進めると思えてしまう。
しかし、赤信号であれば、安全が確認できても進むことはしない。
一時停止の標識もこれと同じだと思えば、一時停止違反も防げるだろう。
交通量の少ない交差点
この交差点も、一時停止取り締りがよく行われる場所である。
ここが取り締りポイントに選ばれる理由は何だろうか。
停止線を少し過ぎたあたりからの眺め。
上り坂のおかでげ、交差点に来るクルマが丸見えである。
同じ場所から左手を見ると、横断歩道もよく見渡せる。
別の進入路も見てみると、こちらにも一時停止標識がある。
この進入路から交差点に入る場合も、右手は道幅が広いおかげで、よく見通せる。
左手も緩やかな坂のおかげでクルマの有無がすぐにわかる。
この交差点も、前出の見通しのよい交差点と同じく、安全を確認しやすい。
どの進入路にも一時停止標識があるかというと、この進入路のみ一時停止標識がない。
進入路によっては一時停止標識がないのも前出の見通しのよい交差点と同じである。
ところで、この交差点には、もう一つ特徴がある。
写真を見ればわかるが、交通量が少ない。
この道路は、街と街を結ぶ幹線道路ではなく、
住宅地以外にはどこにも行けない生活道路である。
交通違反の取り締まりというと、幹線道路で行われるイメージがある。
しかし、実際には往来の少ない道路でも行われている。
この交差点は、安全を確認できても、そして、誰にも見られていなくても、
一時停止の標識があれば、必ず止まらなければらないことを教えている。
夜間のみ信号が点滅する交差点
ここも一時停止違反の取り締まりが行われる交差点である。
この交差点は、どの方向から進入しても、一時停止の標識は、ない。
一時停止標識がないのに、一時停止違反の取り締まりが行われるのは、なぜだろうか。
この交差点で一時停止取り締まりが行われるのは、いつも「夜間」である。
この交差点の信号は夜間になると、赤信号が点滅するのだ。
赤信号の点滅の意味は「一時停止」である。
一時停止を命じるものは、なにも一時停止標識だけではない。
夜間に行われる一時停止取り締まりに対しては、
わざとらしいほど長く止まるぐらいでちょうどよい。
バイクで片足を地面につけて停止して、それでも一時停止違反とされた例があるのだから。
夜間は、取り締まる側も見にくい。
どうせ止まるなら、取締官にもアピールするように止まろうではないか。
クルマが来ないとわかる交差点
ここも一時停止取り締まりが行われる交差点である。
一時停止取り締まりが行われる場所の例にもれず、ここも信号のない交差点である。
信号がない交差点では、
右からクルマが来ないことがわかると、徐行したまま通り過ぎそうになる。
特に、この状況ではどうだろうか。
右手は踏切で、そこには列車が来ている。
つまり、右からクルマが来ないことは明らかである。
この場合、横断歩道に歩行者がいなければ、実質的には一時停止する必要がない。
しかし、一時停止標識がある以上、
クルマが来なくても、歩行者がいなくても、止まらなければならない。
なぜなら、一時停止の標識は、赤信号と同じなのだから。
優先に見える道
この交差点も、一時停止違反の取り締まりが行われる。
一時停止違反をしやすい原因は何だろうか。
この交差点を反対側から見るとこうなる。
写真ではわかりにくいが、右の道はすぐに先細りとなる。
左は幹線道路につながる道で、幅が広く、交通量も多い。
つまり、左の道が「本流」に見えるのだ。
この道を下るとき、こちらが「本流」だと思っていると、
交差点を一時停止せずに通り過ぎることもあるだろう。
この交差点は、違反が多発するのか、事故が多発するのか、
路面に目立つ標示が施してあった。