右折禁止の標識
右折禁止の標識も、実質的には禁止を意味する標識でありながら、その色は赤ではなく、青色である。
ちなみに、右左折禁止をこのような標識で示すことは、国際連合道路標識でも同じである。
右折禁止という標識もない!?
この標識が交差点にあれば、右折はできい。
しかし、これ自体は右折禁止の標識ではない。
なぜなら、左折禁止の交差点にも同じ標識があるのだから。
どうしてそうなるのか?
この標識は何が禁止されるかではなく、何が許されるかを示す。
そのため、この標識は、それがある場所によって、禁止の内容が変わってくる。
たとえば、左に分岐する交差点にあれば「左折禁止」、右に分岐する交差点にあれば「右折禁止」、
そして、十字路なら「右左折禁止」。
左折禁止の標識でも述べたが、
この標識は、標識だけでなく、それがある場所まで見ないと、何が禁止されているのかがわからない。
実際、この標識の下に「左折禁止」と記されたものがある一方で、
同じ標識に「右折禁止」と書かれたものもある。
右折禁止取り締まり
左折禁止もそうだが、右折禁止に違反しないためにはコツがある。例えば、
- 通学時間帯は幹線道路から枝道へは右折できないと思っておく。
- 住宅地への道路は朝夕は進入できないと心得ておく。
- 左折できないところは右折もできないと疑っておく。
- 交通量の多い道で右折レーンがなければ右折禁止を疑う。
- 標識を理解できなかったら、矢印の方向「だけ」に進む。
街並みに溶け込む標識
ここは右折禁止取り締まりポイントが行われた場所である。
道路の形が特に複雑であるわけでもないし、
右折を禁止する標識が見えにくいわけでもない。
なぜ、取り締まりポイントに選ばれたのだろうか。
あくまで推測だが、標識が目立たないためではないだろうか。
左折禁止もそうだが、右折禁止を意味する標識は、青色である。
青色の標識は、夕方が近づくと、つまり、薄暗くなると、
アスファルトやコンクリートの色に溶け込む。
すると、近くからは目立つ標識も、ちょっと離れて見ると、こうなる。
しかも、右折禁止の時間帯は16~19時。
薄暗くなり、青色の標識は目立ちにくくなる時間帯である。
標識が目立たないせいなのかどうか、
赤字で右折禁止と書かれた看板まである。
右折先の道路は、十分に対面通行できるので、
ここだけを見て判断すれば、何の疑いもなく右折できる。
標識を見落としたら、もう右折禁止に気付くことはできないだろう。
信号のように、大がかりな構造物は目立つが、それに比べると標識は目立たない。
また、右折禁止(左折禁止)の標識は青色なので、赤よりは見過ごしやすいだろう。
さらに、右折禁止の標識はたいてい左側にあり、
右折しようとするドライバーが注意を注ぐであろう右側にはない。
右折は、左折以上に注意が必要かもしれない。
右折しやすい分かれ道
「ト」の字型の交差点の場合、
左折が禁止されていると、反対車線からの右折も禁止されていることがある。
理由は簡単で、
左折禁止というのは、反対車線から見れば右折禁止になるからだ。
この交差点も、左折禁止であるが、
反対車線からは右折禁止になっている。
この交差点は交通違反取り締まりポイントである。
禁止されている内容から考えると、左折禁止違反と右折禁止違反を取り締まるのだろう。
しかし、実際に訪れてみると、右折禁止違反の方が多いだろうと感じた。
なにしろこの交差点は、右折しやすいのである。
右折しやすい理由は、この交差点の形を見ればすぐにわかるだろう。
このような交差点の形が与える影響は、
どれも右折を容易にするものばかりだ。
右折しようとすると、自然と右に気を取られるが、
右折を禁止する標識は左側にあることが多い。
特に信号のない交差点を右折するときは、左側にある標識の確認を忘れずに。
交通量の多い道路の右折禁止
交通量の多い道路では、右折が禁止されることがある。
いわば、大通りから大通りへ行こうとしているのだから、
右折できるだろうと思っていると、慌てることになる。
この交差点は、片側2車線の国道と、同じく片側2車線の道路の交差点である。
どちらも交通量が非常に多い。
私は、この交差点で右折しようとしたことある。
直前に標識に気がついて、結構慌てた。
まだ、このHPを作る前の、いまほど標識に注意していなかった頃のことだ。
しかし、この交差点をよく見ると、
右折禁止の交差点は、標識以外にも右折禁止を暗示するような標示がある。
たとえば、路面の進行方向の標示に右折はない。
交差点の中心の標示にも右折を誘導する矢印だけない。
交通量の多い道路で右折を禁止するのは、
右折待ちのクルマが、流れをせき止めるからだろう。
この理屈からすれば、
両方向の車線とも交通量が多い場合は、
両方向の車線とも右折禁止であると予想できる。
この道路も、反対車線もまた右折禁止である。
片方向だけ交通量が多い場合は、あまりなだろうから、
どちらかの車線が右折禁止であれば、
反対の車線も右折禁止であるのが普通なのだろう。
一ヶ所だけが右折禁止の交差点
両方向とも右折禁止の交差点とは違って、
一ヶ所だけ右折禁止になっている交差点もある。
ここは、そのような交差点である。
この交差点の問題は、どこが右折禁止なのかわかりにくいことである。
この交差点にある指定方向外進行禁止の標識と、
普通車(大型車は別)が進める方向を模式図にすると、こうなる。
まず、①からは右折できる(A→Dへ進める)。
しかし、③からは右折できない(C→Bは進めない)。
問題は、③からの右折を禁止する標識である。
この標識が、ちょっとわかりづらい。
補助標識には「大型等」の文字が踊っているので、
パッと見ると「大型等」だけが右折禁止なのかと思うが、
左下の方に、「大型等以外の車両 終日」と書いてある。
ちなみに、普通車が、①と②から、指定方向外となる右折や直進ができるのは、
①と②の指定方向外進行禁止の標識が「大型等」だけを対象にしているからである。
つまり、この交差点では、普通車は、どの方向からも、左折・右折・直進すべてできるが、
この方向からのみ、右折だけができないことになる。
このような交差点に初めて来た場合、左折禁止を見落とすことは、あり得ると思う。
標識に書かれた「大型等以外の車両 終日」を見落とさないための対策は・・・思いつかない。
指定方向外進行禁止の補助標識が読めなかったときは、
矢印以外の方向に進まないように心がけるしかないだろう。
右折も左折も禁止
交差点では、どの方向にも進める、と思うのが自然である。
しかし、この道路からは直進しかできない。
直進しかできない道路は、高速道路の出口である。
出口には右左折禁止の標識がある。
しかし、右折も左折もできないのは、自然な感覚からは離れている。
左側からは一般道が合流するので、左折禁止に気付くことができるかもしれない。
標識を見落としたら、右折違反禁止違反をしてしまうだろう。
ちなみに、ここは右左折禁止取り締まりポイントであるが、
進路変更禁止違反取り締まりポイントである。